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ラッコサーバーの特徴としてLiteSpeedという高速・大量アクセス対応のWebサーバーが利用できるという点があります。
少し調べた方ならWebサーバーに色々な設定を施してチューニングするという仕組みを見つけるかもしれません。
例えば個人でWordPressを自分のPCにインストールする方が結構いますが、Linuxのインストールから始まって、Apacheの「~.conf」のこの値を書き換えて、「.htaccess」の設定をいじる、といったことが解説されています。
自分のPCにWordPressをインストールするときはWebサーバーとして、主にApacheかNginxを利用します。
この二つのWebサーバーの解説は複雑で、全容を把握しようとすると非常に大変です。そしてLiteSpeedはApacheやNginxより高性能とよく言われています。ということは把握しなければいけない知識もさらに増えるのではないか、と考えることもあるかもしれません。
でも安心してください。レンタルサーバーを利用するときにWebサーバーの細かい専門知識は不要です。
今回はその理由と最低限これだけ知っておけばよいという基礎知識を解説します。
レンタルサーバーの仕組み
レンタルサーバーはサーバーをレンタルして使うサービスです。
サーバーというのはネットワーク上で色々なコンピューターにサービスを提供するコンピューターです。
例えばホームページをサーバーに置いておけば、それをネットワークでつながった他のコンピューターが閲覧できます。
動的ページと静的ページ
レンタルサーバーを借りてWordPressのブログを運営しようというときにWordPressの仕組みを簡単に知っておいたほうがよいでしょう。
WordPressは動的ページという種類のWebページを作成してユーザーはそのWebページを記事として閲覧します。
動的ページを利用するときは、ユーザーがアクセス要求をサーバーにしたときに、データベースなどからデータを取得してそのデータを基にアクセスごとにWebページを作成します。
これに対して静的ページというのは、完成版のWebページをサーバーに設置しておいて、ユーザーがアクセスしてきたとき完成版のWebページをそのままレスポンスとして返します。
WordPressは動的ページを作成するときにWebサーバーを使う
動的ページの作成はWebサーバーが行います。WebサーバーがPHPと呼ばれるプログラミング言語で記述されたWordPressというプログラムを実行するのです。
このWebサーバーとしてApacheやNginx、LiteSpeedという種類があるということになります。
なぜWordPressが動的ページを採用しているかというと、静的ページは完全に完成したページをユーザーに返送するという性質上、更新するときはページのファイルすべてを更新しなければならず、ページ更新にhtmlやcssのある程度専門的な知識が必要です。
一方動的ページならいちいち記事を作成する手間はかかりますが、データベースの本文ファイルの必要な部分だけ更新して、簡単に新しいページをユーザーに返信することができます。更新の面倒な部分はWordPressという仕組みがやってくれるので、記事の作成者はhtmlやcssの深い知識なしに簡単に記事の作成や更新が行えます。
WordPressの記事をキャッシュすると静的ページになって高速化する
動的ページの話が出たのでキャッシュについても解説しておきます。WordPressにおけるキャッシュの役割は動的ページで作成されたコンテンツをキャッシュファイルとしてサーバーに保存しておいて、ユーザーには動的ページではなく、完成版のキャッシュファイルを返信するというものです。キャッシュファイルは動的に作られていないので静的ページとなります。
動的ページはページを作成するためにデータベース参照やhtmlへの変換作業が必要になるので処理時間がかかります。しかし完成版の静的ページをユーザに送るだけならこの処理時間がなくなるので、ページ表示速度が向上します。
そのためWordPressには様々なキャッシュ系プラグインが存在します。
ただし注意点としては、キャッシュプラグインを利用すると動的ページでの動作前提で作られたWordPressのテーマが多いため、ページの特定の機能が表示されないなどの不具合が発生する可能性がある、という点が挙げられます。
またキャッシュファイルを作成して置いておくために、サーバーに通常より余計にたくさんのデータを保存しなければいけないため、サーバー契約で使えるストレージ容量を圧迫するので保存できる記事数が減るという点も注意点として挙げられます。
メリットとデメリットを考えて設定しましょう。
レンタルサーバーの種類
まずレンタルサーバーには複数の種類があるというところから解説します。というのもここを理解しないとサーバー周りの複雑な知識の習得が必要なのかどうかということがわからないからです。
レンタルサーバーには次の4種類が存在します。
- 共用サーバー
- 専用サーバー
- VPS
- クラウドサーバー
共用サーバー
個人で利用するのは基本的にこの共用サーバーです。一台のサーバーを複数のユーザーで共有して使うから共用サーバーと呼ばれます。
サーバー周りの細かい設定変更の自由度は低いです。
その代わりサーバーのセッティングがほとんど済んだカスタマイズ済みのサーバーを契約したらすぐに利用することができます。
またサーバーを複数人でシェアするため、一台のサーバーをマルっと借りるより安くレンタルできます。
サーバーのインストールや細かい設定はサーバー屋さんが既に行ってくれているので細かい設定の知識は不要です。
つまりWordPressを使うための設定はすでに済んだ状態でレンタルできるということです。さらにサーバー運営に必要な様々なアップデートやその反映なども基本的にすべてレンタルサーバーの裏にいるサーバー屋さんが自動的に常にやってくれます。
また自由度が低いとは言っても、WordPressを運営するときに設定できる項目は一通り契約者側で設定することが可能です。
専用サーバー
専用サーバーはサーバー1台を占有して使うことができます。共用サーバーは複数人でサーバーをシェアするという特性上、一人のユーザーのWebサイトに大量のアクセスがあったりした場合にサーバーがダウンするとその影響がシェアしたユーザー全てに及びます。
企業などのWebサイトは常に閲覧できることが求められますので、そういう時に共用サーバーのデメリットを被らないように専用サーバーを利用することになります。
ただし一台のサーバーをすべて借りるので料金は高くなります。
VPS
VPS(Virtual Private Server)というのは、共用サーバーと同じようにサーバーを複数人でシェアするという点は同じですが、仮想化技術で一台のサーバー内に複数の仮想化サーバーを作って、それぞれの仮想化サーバーをそれぞれのユーザーが利用できるサービスです。
LinuxというOSは仮想化技術と呼ばれる技術を使ってLinuxの中にさらにLinuxをインストールすることができます。そのため実験的にいくつかのLinux環境を作って失敗したらその仮想化Linuxを削除する、といった運用が可能です。
こうした技術をレンタルサーバーに応用したのがVPSです。
VPSでは共用サーバーではできなかったOSの選択やWebサーバーの選択が自由にできます。
そのため共用サーバーでできなかった、好きなプログラムをサーバーで動かすといったことができるのですが、サーバーの運営すべてをVPS利用者が行わなければいけないので、サーバー運営の広く深い知識が必要になります。
クラウドサーバー
クラウドサーバーはVPSと似ているのですが、こちらはアクセス状況に応じてサーバースペックを柔軟に変更可能です。
VPSはあらかじめ決められた契約プランに応じたスペックの仮想化サーバーしか利用できません。しかしクラウドサーバーならアクセスが集まってきたからサーバースペックや容量を上げようという柔軟な運営が可能となります。
AWSやさくらのクラウドなどが有名ですね。
主に大企業の巨大サービスで利用します。サーバーの保守点検はクラウドサーバーの運営側が行ってくれるので、企業側はシステムの運用に集中できるため利用が拡大しています。
LiteSpeedとは
上の共用サーバーの説明で重要な点は述べたことになりますが、そうは言っても実際に利用するLiteSpeedというWebサーバーについて、共用サーバーを利用するレベルで理解しておいた方が良いこともあります。
ここからはLiteSpeedを利用する上での基礎知識を解説していきます。
LiteSpeedというのは第3のWebサーバー
国内レンタルサーバーで採用されている主なWebサーバーには次の3種類があります。
- Apache
- Nginx
- LiteSpeed
これら3つのシェアは次のようになります。
Webサーバー | シェア |
Nginx | 34.2% |
Apache | 31.0% |
Cloudflare Server | 21.0% |
LiteSpeed | 12.5% |
NginxというのはApacheで発生する可能性のあるC10K問題を解決する大量アクセス対応、高速レスポンスなWebサーバーとして人気が上昇しています。
LiteSpeedはNginxよりさらに高速・大量アクセス対応可能なWebサーバーとして近年採用が広がっています。
以下の表はLiteSpeed、Nginx、ApacheでWordPressサイトを対象とした実験結果です。
Server | Requests / Sec | MB / Sec |
LiteSpeed | 69618.5 | 270.38 |
Nginx | 6025.3 | 24.5 |
Apache | 826.5 | 3.08 |
Requests / Secが一秒あたりに処理できたリクエスト数、MB / Secがやり取りできたデータ量だと思われます。一秒あたりに処理できたリクエスト数の多さから、LiteSpeedの高速・大量アクセス対応性能がわかりますね。
また今回はラッコサーバーを対象にしていますが、LiteSpeedを採用したレンタルサーバーは他にもあります。レンタルサーバーをご検討の際はよろしければ次の記事も参考にしてみてください。
●レンタルサーバーの選び方【初めてのレンタルサーバーを決めるための予備知識】
Apache互換機能で.htaccessが使える
「.htaccess」というのは、Webサーバーの基本的な動作を、ディレクトリ単位で制御するためのファイルです。.htaccessの利用でできるようになる機能は主なものとして次の3つがあります。
- リダイレクト処理:ドメイン変更時にサイトへの訪問者を別のサイトへ自動で転送する
- BASIC認証:ページにユーザー名とパスワードの認証を付ける
- IPアドレス制限:特定のPC(例えば社内のみ)にだけアクセスを許可させる
この.htaccessという機能はApacheでは使えますが、Nginxでは使えません。そこでNginxをメインのオリジンサーバーにせずに、オリジンサーバーでApacheを、リバースプロキシサーバーとしてNginxを使うという運用をするレンタルサーバーも存在します。
ではLiteSpeedはどうなのかというと、LiteSpeedはApache互換性があるので、.htaccessが利用可能です。
Nginxでは使えなかった機能が使えて、さらにNginxより速くて大量アクセスにも対応できるという点で利用が広がっています。
http/2とhttp/3が使える
http/2というのはサイトがSSL対応のときに、ウェブページの通信処理を効率的に行うことでページ表示速度を向上させる仕組みです。
http/3というのはhttp/2よりさらに通信を効率化し、通信速度を向上させられると言われている通信方式です。
詳細は次の記事で解説しています。
http/3はLiteSpeedの有料版しか対応しておらず、ApacheやNginxでは使えません。
ラッコサーバーではSSL化さえすればhttp/3が利用可能になります。
LiteSpeed Cacheが使える
LiteSpeed Cacheとは、LiteSpeedを採用しているサーバーでのみ利用できるWordPressのキャッシュ系プラグインです。
LiteSpeed Cacheを利用することでサイトの表示速度を向上させることができます。
ラッコサーバーではコントロールパネルの「cPanel®」から利用できます。
ラッコサーバーでLiteSpeed Cacheを使う方法は次の記事で解説されています。
●LiteSpeed Cacheの使い方(WordPress高速化)
サイトが高速表示されるとGoogleのランキングシステムで不利になりにくくなります。
ただしキャッシュ系のプラグインでよくあるWordPressテーマとの相性問題などが発生する可能性もゼロではないのでメリットとデメリットを考えて導入するか決めましょう。
まとめ【最低限の知識があればLiteSpeedは怖くない!】
今回はLiteSpeedを採用したラッコサーバーを利用するときに専門知識がいるのか、ということに関して解説しました。
基本的にレンタルサーバーの共用サーバーを利用する限り、ほとんどサーバー周りの専門知識は必要ありません。
最低限知っておいた方がよい基礎知識も解説しました。
なおラッコサーバーでサーバー周りの設定を変更したいときはラッコサーバーKnowledgeBaseにたいていのやり方が書いてあるので参考にしてみてください。
ラッコサーバーを利用してみたいという方が利用前でつまずかないために今回の記事が参考になりましたら幸いです。
基本的に難しいことはサーバー屋さんが裏で管理してくれるから利用は比較的簡単です
当ブログ(シルルスのコードおきば)ではラッコサーバー関係の記事を他にも執筆しています。参考になりましたら幸いです。
●ラッコサーバーでDMARCをドメインのメールに設定する手順
●ラッコサーバーでかんたんブログスタートを使う【本当に簡単です】