\HP 秋の超得セール 実施中/

今回はブログ執筆と密接に関係している「文章を書くのが苦手」というお悩みを、特に大人の方向けに解説するという内容です。
結論としては大人になっても文章が苦手な方の改善方法は「日記」と「ブログ」となります。
色々なサイトや書籍で「文章力向上」というテーマが語られています。
それらを見ればたぶんある程度書けるようになります。
ただ「なんかめんどくさい…」となるかもしれません。
すぐ諦めてしまうのはもったいないです。
まずめんどくさいのはなぜなのかということからお話します。ちゃんと脳科学的に理由があるのです。
そこを理解しないと「はじめの一歩」が踏み出せません。
めんどくさい理由を理解して「それさえ対策すればできそうだ」というマインドに変わればあとは「定形作業」を繰り返していけばいいだけです。
ご興味がありましたらこの先を読んでみてください。
2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル カーネマンによると私達の脳には「システム1」と「システム2」が存在すると言われています。
・「システム1」は自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。
(1)ダニエル カーネマン 著, 村井 章子 訳,ファスト&スロー (上),早川書房,2012.
〔……〕
・「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。
システム1とシステム2が担当する内容は以下のようなものです。
ではここに、システム1が自動的に行うことの例をいくつか挙げておこう。
…
・簡単な文章を理解する。
…
システム2が行うことの例を挙げておこう。
…
・複雑な論旨の妥当性を確認する。〔……〕
ところがシステム2は怠け者という性格を備えており、どうしても必要な努力以上のことはやりたがらない。
(1)より
モノを書くという作業は複雑なタスクです。思考と密接に関わり、状況によって色々と考えを変えていかないといけません。
これは明らかにシステム2の領域です。
ただ私達の脳でシステム2はどうしても必要にならないと動きません。テスト前の勉強期間で時間ができるとゲームして漫画を読んでギリギリまで勉強せず、ラスト1日で一夜漬けして最低限の点数を取る。あれと一緒です。
これの解消方法ですが以下となります。
これ以降は上の2つを実現するような構成で解説していきます。
そもそもなぜ文章が大人になっても書けないのでしょうか?
これは日本の国語教育がそういう状況を量産する方針だから(だったから)です。
まず日本の「仕事」という作業から学校教育までを逆算してみましょう。
日本の仕事は以下の2つの役職にきっちり分割されています。最近はそうでもなくなってきましたが現在もこの方針の企業は多いです。
高度経済成長のときの猛烈社員のように「徹夜してとにかく量をこなせば会社の収益がどんどん増える」という時代では一部の教育水準の高いエリートによって「仕事の内容」が考え出されていました。
顧客の分析をして顧客の課題を見つけ、それの解決方法を考えて、それを仕事の内容に落とし込みます。
一部のエリート以外の人はとにかくエリートが考え出した仕事の内容を「猛烈に・正確に」量をこなすということでお給料をもらいます。
この時代は考える側の社員は一部でよく、他の社員は「考える」作業がほぼ不要です。
この方式の何が優れているかという点ですが、以下となります。
社員の教育コストを仕事内容のマニュアル化で低減すれば、会社の経費が下がって利益が増えます。
だれでもこの通りに動けばいいというのは究極の低コスト教育です。そこに「柔軟に考える」とか「顧客のお悩みまで理解して会社の戦略を考える」という要素はありません。
だから多くの会社でこの方針が採用されます。
また平社員が頭のいい人ばかりになったら、会社の上の方にいる人は毎日ヒヤヒヤしますよね。いつ自分が気づいていない利益を下の立場の社員に横取り(あるいは不意打ち)されるか考えていたら安心できません。
会社の人事を安定させるためにも、一般の社員に「考える力」を与えては都合が悪いのです。
するとどうなるかというと「考える力を身に着けさせないで仕事だけができる能力を持った人材を社会に大量に送り込めばいい」という考えになっていきます。
誤解しないでほしいのですが、現代の学校教育はそうなっていません。ちゃんと小学生から「自分で考える力」を伸ばすチャンスを与えられます。
ただ現在の30代とか40代の時代の小・中・高・大学の教育は上の高度経済成長期の方針を反映しているので、「考える力」が意図的に身につかない教育で育っている可能性が高いのです。
どういう教育をすれば高度経済成長期に都合のよい人材が作れるかというと、以下のようになります。
例えば高校で理系と文系を分けて教育して、理系は「数学と物理と生物と化学」だけやるように教育する。
これを突き詰めると「考える力はないけど職人としての腕は高い」という、企業の上位層にとって非常に都合の良い人材ができあがります。仕事を自分で考え出せないので下剋上は無いですし、でも上位層の要求は高いレベルでこなせる。自分で独立される恐れもないのです。だれかが指示そのものを考えてくれないと働けないですし。
文系も同様です。「経営に必要な要素はわかる」、「文学はわかる」という人材を育てるわけですが、理系の知識がないので「文系も理系もわかる人」がいないと仕事が作れません。「考える力」はあっても、数式と科学がわからないので細かい話はわからない。結果企業の中間層までが出世の限界になります。
また考える力は暗記の反対にあるスキルです。暗記は誰かが考えてくれた重要そうなところを覚えるスキル。考える力は暗記する内容そのものを考えるスキルだからです。暗記を重視すれば考える力の育成からは遠のくので高度経済成長期の社会に都合がいいのです。
この辺まで解説すると「国語」に意味がありそうだと気づくかもしれません。
レポートというのは以下の営みです。
この型に沿った文章作成というのは現代の学校教育でようやく始まってきた段階であり、30代以前の学校教育ではほぼやってないです。
しかしこの型に沿った文章作成というのは「考える側」がやっている仕事内容そのものです。
つまりこれを万人にやらせて得意にしてしまうと平社員の下剋上を誘発するので意図的に教育でやらなかったと推測できます。
結局「国語」というワードが重要です。
国語とは結局のところ「読み」と「書き」です。
「文章が書けない」というお悩みは「書き」に問題がある、能力が著しく低いということに起因しています。
ただこの「書き」ですが以下の二種類があり、2つ目ができないとあまり意味がありません。
色々な言葉を知っていて、それを適切に運用することで「読者をその気にさせる」のがうまいのが「装飾」に優れた文章です。
しかしながら「考える側」で必要なのは「レポート作成」です。
国語にはこの2つの側面の文章力養成という側面があり、本当に国語を真面目に突き詰めるとレポート作成という「分野横断の非常に複雑な科目」となります。
装飾に関する内容の向上は「たくさん本を読んでたくさんの言葉を覚えて、それを修練で適切に使えるようにする」という修行で実現します。
これは多くの人にとってあまり必要ありません。仕事などでうまい文章が書けないから悩むのです。仕事で必要な文章力は「レポート作成能力」であり「装飾のうまさ」ではありません。
ではレポート作成能力で必要な能力、伸ばすべき能力というのはなんでしょうか。
それは「ネタ探し能力」と「論理的にまとめる力」です。
レポートには「ネタ」が必要です。何らかの「課題」を見つける能力です。
レポート作成の一番目に必要な能力となります。
これは最も必要であり、最も難しいタスクです。
正直突き詰めると大学の修士くらいまでいかないと身につかないのですが、小学生から現代はこういう作業をするのでやってやれないことは無いと思います。
以下やり方です。
情報の集め方ですが、これは色々あります。
これ以外にもあるでしょうけど上で挙げたことくらいはできるようになって損はないでしょう。
まず論文は以下のサイトで検索すると結構無料で読めるものがあります。
読めるところからでいいので、読めそうなところから読んでみましょう。
次に本の読み方ですが、これは説明する必要は無いと思います。
毎日数ページでもいいので気になった本を読みましょう。活字を読むというのは「文字情報から必要な情報を取得する訓練」になります。また本の内容そのものが有益なことも多いでしょう。
これは様々な資料を読むときに活きる技能です。
またプロの文章を読むと「文字情報の正しい効果的な使い方」のストックが頭に溜まります。これは文章を書くときに言葉を考えて表現するときに非常に役立つ財産になります。
「装飾」のストックにもなりますし、「情報をどういう構成で書けば効果的なのか」という情報源にもなるのです。
次が「営業が課題を吸い上げる」です。結局現場を見て、実際に何かを経験してみないと課題が具体的に見えてこないことが多いです。商品を使ったことがないのに、商品レビューのブログを書こうとするようなものであり、実際に商品を手に入れていない記事では競合に勝てません。
最後がネットを活用するという内容です。
私には高齢の両親がいますが、両親はインターネットが苦手です。「こういう情報を知りたいからどの検索システムを使って何をキーワードに入れればいいのか」がわからないのです。
これはある程度検索システムを自分で触ってみて、「当たりを付ける訓練」をしないとなかなか身につきません。
Amazonと楽天をどういう状況で使い分けるのかを考えてみてください。こういう「検索の経験」は目当ての情報を効率的に取得するのに結構重要です。
インターネットにも情報の練度が高いページは数多くあります。そこから必要な情報を取得するために「検索システムをたくさん使う」という経験を積んでみましょう。
最後が「集めた情報が解決していない領域を見つける」という作業。
たくさん情報を集めれば「ネットとか本とか論文はここまでは明らかにしているけどここの部分はわからないな」みたいなことがわかるようになります。
これも経験量がものをいうスキルではありますが、中学生以降くらいなら論理的な思考力も多少育ってくるので、やってみてください。
あなたが疑問に思っている「ここがわからない」という内容が要するに「課題」になるので、それを課題にして次のステップの「課題の解決方法を考える」という段階に進みます。
解決方法を考え出すステージでは、「調べればわかる内容にする」というのがコツです。
数学の超難問とかを課題にすると一生かかっても解決できません。上の課題発見の段階で使ったような情報収集で課題が解決しそうな課題にしましょう。課題を色々考えてできそうな課題に取り組んで「レポート作成の全体を体験する」のが重要です。
次が「考察」。
正直これは「結果の意味を考える」という作業なのですが、他の論文を読んでみて何を書けばいいか考えましょう。
論文のジャンルごとに「これがみんなの疑問に思う点だろうから、ここを解説する」みたいな勘所があるので、それを参考に書きます。専門知識が多量に必要になることもあるので、簡単にマニュアル化できないのです。
最初は自分なりの言葉で表現すればいいと思います。「その結果はなぜ妥当と言えるのか」「結果から何が言えるのか」を考えてみましょう。
最後の結論は全体のまとめをもう一度短くまとめればよいです。
ただこれを小学生のうちからやらせてできるのか、というと微妙です。
専門知識も必要ですし、レポートを評価する先生の側にも深い知識を必要とします。
だから小・中・高ではインフラ的にも先生の技術的にも無理だから、大学でレポートを書かせましょうとなるのもある程度納得できます。
しかし小学生から「なんとなくこうやる」くらいの経験をさせておかないと、大学入学で「さあ、やってください」というときに全く太刀打ちできなくなるので、「他人や先輩のレポートを写そう」とか「副業サイトでやってもらおう」とか「AIに書かせよう」みたいな大学生が結構います。
これではやはり「文章が苦手」なままです。
それをどうすればいいのかという内容をこれ以降書いていきます。
上で抽象的にフワッとレポート作成について書きましたが「やっぱり面倒そう…」となるでしょう。
上は会社の商品開発とかでも使える、大学で課題に出されるレポート作成もクリアできるようになるくらいのレベルを想定しているので、「文章が苦手」くらいの場合ハードルが高すぎます。
そこで以下の2つを提案してみます。「ガチのレポート作成」はこれから言う2つを満足にできるようになってからでも遅くありません。
詳しくは以下の記事でも扱っているのですが、日記を特定の型に当てはめて書くと論理的な文章を書く技能が向上します。

本発表では、文章構成を「序論・本論(具体例・考察)・結論」とした。
〔……〕
この実践から、次の点が成果として考えられる。
①基本の文章構成を指導することで書く力が向上する
〔……〕
②日常生活を題材にして書くことが小論文の練習になる
増田 泉, 文章構成に着目した論理的文章の書き方指導―小学校から大学までの小論文を見通して―, 全国大学国語教育学会国語科教育研究:大会研究発表要旨集/135 巻 (2018)
「ネタを探す」のが難しいだけなので、「日記」という自分をネタにできる媒体を書くとネタ探しの困難さが薄れ、それを論理的に書くので、「レポートの書き方を経験する」ということが可能です。
ネタは専門書を読んで自分で研究するとか、論文を長期間かけて解読するとか長期計画で探す技能を育てましょう。
その前に「型に当てはめて文章を書く」ことで「あとはネタさえあれば…」くらいのレベルに自分を引き上げます。
文章は「序論・本論(具体例・考察)・結論」という型に当てはめて書くと論理的な文章になりやすいということです。
また日記などを題材としてそれを上の型に当てはめるというのが論理的な文章を書く練習になるということです。
日記はA4ノート半ページくらいで良いです。なるべく毎日書いてみてください。
好きな本を読んでみた感想でもOKです。なるべく型に当てはめてください。
ブログと違って公開しないので、好きに書きましょう。自分が何を考えていて何を考えたいのか確認するのにも役立ちますよ。
日記は自分しかネタにできないので、「もっと専門的なことを書きたい」というときは「ブログ」を書いてみましょう。
著作権や肖像権には注意してください。
専門的な内容でブログを書くということは、要するに「本格的なレポートを書く」ということです。5記事くらい本気で書けばなんとなく勘所がつかめると思います。
ただブログでは「ネタ探し」が大学のレポートより簡単です。ラッコキーワードというサービスを使えば「検索結果からネタがわかる」ので、見つけたネタに対して記事を書くことでレポート作成を練習できます。

正直ここまでできれば「文章が書けない」ということはある程度解決していると思います。
無料ブログでもいいですが、専門ブログでアフィリエイトも狙ってみたいならレンタルサーバーを借りてWordPressでブログを書いてみてください。WordPressのメリットは「コメント欄を非表示にできる」「公開するので手を抜きにくい」となります。レンタルサーバーのおすすめは以下を参考にしてください。

記事の「型」にはPREP法とかGolden Circle法とか色々ありますが、結局「レポートの型」に沿った文章を書いてみて、結論だけ一番上に持ってくるのが一番簡単だと思います。
「結論から先に書く」系の指南方法では「結論」が最初に無いといけないのですが、それはレポート作成の型で文章を完成させて「新たな知見」というのを生み出してからでないと結論が作れません。
つまりPREP法などを使うにはレポート作成で「結論」を生み出してからでないと書けないのです。基本はレポート作成となります。
アフィリエイトブログをやってみたいならその注意点も最初に知っておいたほうがいいでしょう。今回の文章術が生きるアフィリエイトブログの基本について書いた以下の記事も参考にしてみてください。

私はこれをよく、”他人軸・自分軸”という言葉でお話しします。
〔……〕
言われたことをそのままする方が自分で考えない結果、楽ですし、長年そうしていると、そもそも自分が何をしたかったのか、何にワクワクして何に苛立ちや不満を感じるのか、だんだんとわからなくなっていきます。
〔……〕
この”他人軸”の人、実はかなり多いんです。
木村好珠, スポーツ精神科医が教える 日常で活かせるスポーツメンタル, 株式会社法研, 2021年
上で高度経済成長期に都合のよい人材育成のために「自分で考える」能力は意図的に削られていたという話をしました。
その結果かもしれませんが、「自分で考えることができない」人が多いそうです。
自分で考えるためには「レポート作成」ができないと厳しいのですが、上で述べたように専門知識も必要ですし、中学と高校の先生が大学生レベルの質で書かれたレポートを様々な科目で評価できるのかといえば厳しいでしょう。
小学生くらいから総合学習で徐々にレポート作成を書かせる下地を作ろうと今の教育は変わってきています。
ただやはりレポート作成は難しいですし、大人になるとレポート作成の練習をしましょう、なんて会社で言われることはありません。仕事を休んで大学の修士とか博士過程に行ってください、くらいでしょう。メルカリなんかはそういう方針で会社に籍を残したまま博士課程で勉強してくるのを奨励していたりしますが、経営体力のある超大手くらいでしか無理な方法です。
参考:メルカリ, メルカリ、社員の博士課程進学を支援する制度「mercari R4D PhD Support Program」を開始
なので「日記」と「ブログ」で自主的に修行してみるといいんじゃないでしょうか。
結論としては大人になって文章が苦手な方の改善方法は「日記」と「ブログ」となります。
毎日ノート半ページくらいを型に当てはめて書いてみましょう。
無理せず少しずつでも続ければ次第に効果が出るかもしれません。ちなみに私はこの方法で2〜3年かかりました。気長にやってみてください。