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今回は楽天モバイルが繋がりやすさの向上のために行っている施策について解説して、読者のスマホの回線選びの参考となる情報を提供することを目的とします。
私は昔楽天モバイルのポケット型WiFiを契約したことがあります。
楽天モバイルのエリア内にもかかわらず、電波は1本立つかどうかで、すぐにパートナー回線のau回線に繋がり、5GB程度通信してすぐに帯域制限となりました。
結局すぐに楽天モバイルは解約しました。
その後数年。現在の楽天モバイルはどうかというと「昔よりかなり改善している」と言えそうです。
ここからは楽天モバイルが繋がりやすさ向上のために行っている施策について解説していきます。
以前はパートナー回線で月5GBの制限がありましたが、現在のRakuten最強プランではその制限が撤廃されています。
現在提供している「Rakuten UN-LIMIT VII」は、パートナー回線エリア(国内)では月5GBまで、楽天回線エリアはデータ無制限で高速データ通信をご利用いただけるプランです。新プランでは、パートナー回線エリア(国内)における高速データ容量制限を撤廃し、日本全国の通信エリア内で、データ無制限でご利用いただけるようになります。
楽天モバイル, 楽天モバイル、日本全国の通信エリアで高速データ通信が無制限の新プラン「Rakuten最強プラン」を発表
つまり仮にパートナー回線のau回線をスマホが掴んでも、制限なく利用可能です。
パートナー回線と楽天4G LTE回線のエリアはこちら→パートナー回線エリアマップ
au(の電波の一部800MHz帯)が繋がるところならだいたい繋がるので繋がりやすさはそれほど悪くありません。
楽天モバイルは自社回線を持つMNO(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)ですが、自社回線を使えるようにするためには当然ながら基地局を増やさないといけません。
楽天のメインの電波は1.7GHz帯ですので、その数の推移を見てみます。楽天モバイルの電波の周波数については以下にまとめてあります。

(1)令和3年度 携帯電話及び全国BWAに係る 電波の利用状況調査の評価結果の概要(総務省)を加工して作成
(2)令和5年度 携帯電話及び全国BWAに係る 電波の利用状況調査の調査結果の概要について(総務省)を加工して作成
(3)令和6年度 携帯電話及び全国BWAに係る 電波の利用状況調査の調査結果について(総務省)を加工して作成
令和3年度は2021、令和5年度は2023年、令和6年度は2024年と大雑把に考えるとRakuten最強プランの発表が2023年なので、2021年の人口カバー率80.1%から基地局を増やして、2023年にだいたい人口カバー率が98.56%というまずますの状況になってからRakuten最強プランで顧客を一気に増やそうとしたと見て取れます。
現在の楽天モバイルの人口カバー率は99.9%とあります。(参考:楽天モバイル, Rakuten最強プラン(料金プラン))
おそらくこれはパートナー回線も含めた数値でしょう。
パートナー回線は99.9%-98.85%≒1.05%なので、このエリアで多少使い放題で余計にパートナー回線に利用料を払っても、ほとんどのエリアでは楽天回線に繋がるので大した利用料ではないでしょう。
しかも99.9%繋がるというインパクトでそのauへの利用料を補填ができるくらいのユーザーを新規に囲い込めるのでビジネスとしては成り立つのでしょう。
つまり2025年より4〜5年前は確かに人口カバー率も悪く、パートナー回線の通信量制限もあり「貧弱な」回線だった楽天モバイルですが、2023年のRakuten最強プランをきっかけに大きく繋がりやすい回線へと進化しています。
結局99.9%の人口カバー率で使い放題なので、人が住んでいるほとんどのエリアで繋がりますし、使い放題なので、現在の楽天モバイルはほとんど繋がらないことはない回線と言えそうです。
楽天モバイルは、つながりやすさでも最強を目指します
楽天モバイル, サービスエリアマップ
上の文言が掲載されている楽天モバイルのサイトによると、楽天モバイルが繋がりやすさを向上させるために行っている施策は以下となります。
以下で個別に解説します。
楽天モバイルの電波に関しては以下の記事でまとめました。

プラチナバンドと呼ばれる700MHz帯の電波は周波数が低いので遠くまで・色々な物体の裏側まで届きます。
楽天モバイルの電波の周波数の主役は1.7GHz帯の電波ではありますが、これは周波数が高いので物体に吸収されやすく、障害物が多いと電波が届きにくくなる弱点がありました。
楽天モバイルは2023年にプラチナバンドを取得したのでそれを活かそうとしています。
ただ実際のところ700MHz帯の人口カバー率に関しては令和6年度(2024年代)の情報では基地局は0です。(3)
まだどこに使うか検討中のようですね。
プラチナバンドが使えれば障害物の多い地下や屋内にも電波が届きやすくなるのでプラチナバンドを本格的に運用し始めたタイミングで地下や屋内で安定して繋がるようになるでしょう。
ただ現状では1.7GHz帯の基地局で広く薄くエリアを広げている状況と見て取れます。
現状では屋内ならどこでも繋がるか、といえば繋がらない建物も存在する可能性があります。
日本の楽天モバイル以外のMNOではNR化によって5Gエリアを広げています。

NR化した通信では確かに4Gより高速になりますが、Sub6やミリ波ほど高速になりません。
多くのMNOではNR化で既存の4Gの電波を変えるだけでよく、NR化する電波の周波数がSub6とミリ波より低いので障害物に強いです。
つまりあまり基地局用の土地を新たに確保せずに今まで通りの通信エリアを維持しつつ5Gを提供できるのでNR化が主流となっています。Sub6とミリ波は電波の周波数が高いので障害物に弱く基地局がたくさん追加で必要なので広く5Gを提供しにくいのです。
楽天モバイルはNR化で無理して5GにせずにSub6とミリ波を人の多く集まる都市部で展開して5Gエリアを広めています。
結論から言うと「田舎は今の所4Gで我慢してね」というところでしょうか。まあ費用対効果から考えれば人口が多いところでたくさんの人が5Gを利用してもらったほうが設備も無駄になりませんし、当たり前の戦略ですね。
NR化も今後はやっていくかもしれませんが、ものすごく高速になる技術ではないので(NR化した5Gでは100〜200Mbps程度、Sub6で200Mbps超え程度)4Gとの速度の違いを感じづらいので当面は4Gエリアを広げて4G中心にやっていくのでしょう。
また5Gを構築する通信装置にはNSAとSAという方式があるのでそれについても解説します。
NSA、SAともに「高速・大容量」通信が可能ですが、SAのほうが「低遅延」「多接続」というメリットを得られるので今後はSAも展開されていくと思われます。
楽天の5G SAの状況ですが、楽天モバイルの技術の核である仮想化環境で5G SAを使えるようにはなっているようです。
〔……〕楽天モバイルは、汎用ハードウエアとクラウド技術を用いた完全仮想化「Stand Alone(SA)方式5Gモバイルネットワーク(5G SA)」無線アクセス装置を構築し、商用化に向けた各種研究を完了しました。
楽天モバイル, 楽天モバイルとNEDO、仮想化技術を用いた5G SA無線アクセス装置の構築・各種実証に成功

仮想化技術のメリットは設備コストの大幅な削減ですから、コストを抑えて5G SAが利用できる状況になりつつあるということで、5G SAの持つ「低遅延」「多接続」という5Gの本当のメリットを安く享受できる未来も近いかもしれません。
ついでに言うと楽天モバイルの5Gでは「Massive MIMO」という技術を利用していて、基地局のアンテナ数を増やして通信の安定化と高速化を実現しています。
確かにホームルーターとポケット型WiFiでもホームルーターの中のアンテナ数がポケット型WiFiより多いので安定して繋がるという話はあるので、それを5Gの基地局に応用したら繋がりやすくなりそうです。
結局楽天モバイルの5Gについてまとめると以下となります。
繋がりやすさというより通信の質を「低遅延・高速」にするという視点で5Gは今後徐々に展開されていくでしょう。
大型イベントの会場には数十万から、ときには100万名を超える方々が集まるため、一時的に通信量が増大します。楽天モバイルでは、イベント当日の会場周辺における基地局の角度や電波の出力調整、場合によっては移動基地局車を派遣して、通信エリアの強化を図っています。
楽天モバイル, [もっと良くなる つながる 楽天モバイル]安定した通信品質をお届けするための電波強化対策
お祭りなどの大型イベントではスマホを使う機会は増大します。そういうときに繋がらないでは「楽天モバイルダメじゃん」となってしまうので、基地局のチューニングや移動基地局車で電波が繋がるように対策しています。
例えば、電波干渉の観点では、基地局のアンテナ設置位置や角度、電波の強さなどを調整します。エリアや混雑する時間帯の情報をもとに、ネットワーク全体の動作最適化を行うことで、安定したサービス提供を目指しています。
楽天モバイル, [もっと良くなる つながる 楽天モバイル]データ分析で快適な通信品質の実現を目指す取り組みをご紹介
日々膨大なデータを収集してそれを利用して基地局のチューニングやネットワーク全体のチューニングを行うことで繋がりやすい回線を目指しています。
電気通信サービスを提供する当社の通信システムは、機能の仮想化を積極的に取り入れることで、通信の増大や機器障害等に対し、迅速かつ柔軟に対応できるように日々取り組んでいます。また、災害や事故等による電気通信サービスへの被害の防止・軽減を図るため、電気通信設備と建物を含む附帯設備については、耐震、耐火、耐水、耐雪等 を備えた防災設計となります。それら設備は、電気通信サービスの継続性の観点から複数拠点化され、設備間をつなぐ通信網についても冗長性を高める等、ネットワーク強靭化に継続的に取り組んでいます。
楽天モバイル, 災害への取り組み
東日本大震災のとき携帯やスマホが繋がらなくて非常に大変だった方も多いと思います。災害ではインターネット・通話機能はまさしく「命が助かるかどうか」に直結するインフラになります。
安否確認が家族間でできなければ津波などの災害が迫ったときにどこに家族がいるかわからなくなり非常にまずいことになります。日頃から大災害が発生したときの家族の集合場所を確認するとか個人でできる対策も重要ですが、災害時にスマホの通信ができるようにしておく、その対策を立てておくことは非常に重要です。
まず楽天モバイルでは災害発生時の異常な通信量の増大に備えています。
また関連施設も防災仕様となっており、「壊れて使えなくなりにくい」設備となっています。
最近はデュアルSIMも一つのスマホで設定できるようになってきているので、資金に余裕があれば楽天モバイルをサブ回線で使えるようにしておくと災害時のスマホの通信が多重化して、どこかのMNOが使えなくても楽天モバイルが使えたから助かった、みたいな可能性がありますね。
デュアルSIMは別に楽天モバイルでなくてもいいです。格安スマホでドコモとauとかauとソフトバンクとかでもいいです。
楽天モバイルのSIMでデュアルSIMにするメリットは20GB以上で「使い放題」になるという点ですね。
災害時に様々な情報収集をする際にギガを気にして必要な情報が入手できないみたいなリスクが楽天モバイルをサブ回線に持っていることで解決します。税込み3,278円で使い放題です。
楽天モバイルはスマホの衛星直接通信に乗り出しています。
楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)は、米AST SpaceMobile(以下「AST」)と共同で、衛星と携帯電話の直接通信によるモバイル・ブロードバンド通信サービスを日本国内で2026年内に提供を目指す計画を発表しました。
楽天モバイル, 楽天モバイル、AST SpaceMobileとの衛星と携帯の直接通信による国内サービスを2026年内に提供を目指す計画を発表
衛星と通信できれば山間部でも海上でも繋がるので、基地局を無理して展開しなくてもさらに広域で繋がるようになります。
楽天モバイルは5G展開などと並行して衛星通信で「繋がらない場所はない」みたいな状況を作ってサービスの付加価値を高めようとしているようです。
衛星通信ができれば基地局が災害でダメになっても繋がる可能性が出てくるので非常に重要な技術と言えます。
まあ災害時の膨大な通信アクセスを衛星がさばけるのかなどの懸念はあるのであくまで基地局がダメになったときの保険になるかもしれないくらいの技術ではありますが。
今回は楽天モバイルの繋がりやすさを高めるための施策について解説しました。
現状では確かに屋内や地下で繋がりにくいエリアはあるでしょう。
ただしそれを解決する技術を楽天モバイルはもう手にしているので、時代が進めば繋がりにくいというのは相当解消して他社に通信品質で並ぶか、どこかの分野では追い越すかもしれませんね。

とりあえずプラチナバンドの展開が今後活発になったり衛星通信ができるようになったりするのでそれを待ちましょう。現状でも結構繋がる回線です