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今回はレンタルサーバーの説明に出てくるRAIDについて解説します。
RAID6とか目にするけど中身はよくわからないよね
レンタルサーバーの説明を見るとRAID5とかRAID6とか書かれています。この違いがなんなのかということをまとめました。
また各レンタルサーバーでどのRAIDを選択しているのかについてもまとめます。
今回の記事でRAIDへの理解が深まり、レンタルサーバー選びの一助となれば幸いです。
RAIDとは
RAID(レイド)というのはサーバーの障害対策の一つです。「冗長化」「高速化」のための技術です。ストレージに障害が起きても、他の部分に同じように作っておいたデータですぐに復旧してシステムが止まらないようにするために行います。またデータを複数ストレージに保存してアクセスの高速化なども狙っています。
まずRAIDのバージョンの一つであるRAID0とRAID1を解説します。
次によくレンタルサーバーの説明で出てくるRAID5とRAID6、RAID10、RAID50について解説していきます。
RAIDにも色々あるんだね
RAID0
RAID0はストライピングという技術が使われています。データを複数のストレージに分散して保存して、アクセスを高速化します。
たくさんのデータが一つのストレージに保存されていると、アクセスが集中したとき順番待ちになっちゃうからね
RAID1
複数のストレージに同一データを重複して保存します。ミラーリングという技術です。一つのストレージが故障してもバックアップがあるので障害対策として有効です。
バックアップがあれば故障しても安心だね
RAID5
パリティという復旧用のデータを各ストレージに分散して保存しておき、ストレージに障害が起きたらパリティを元にデータを復旧します。ただ後述するRAID6が2台のストレージの同時故障に対応可能なのに対して、RAID5は1台のストレージの故障までしか対応できません。ただしRAID6よりは使用するストレージが少なくて済むというメリットがあります。
復旧用のパリティというデータを余計に保存しておくんだね
RAID6
RAID6はRAID5とほぼ同じですが、パリティを二つ保存しておくことでより障害に強くなります。RAID5が1台のストレージの故障までしか対応できないところ、RAID6なら2台のストレージの同時故障まで対応できます。その分パリティの書き込み用のストレージが余計に必要になりますが、故障耐性は高くなるというメリットがあります。
復旧用のデータをRAID5よりさらに多く保存しておくんだね
RAID10
RAID10とはRAID1とRAID0を組み合わせたRAIDです。
ストライピングしたデータをミラーリングするんだね
ストライピングでデータへのアクセスを高速化し、ミラーリングで障害耐性を高めます。
RAID50
RAID50はRAID5にしたグループを複数つくり、それを複数並べます。つまりRAID5をRAID0でストライピングして高速化する仕組みです。
RAID5を高速化する方法だね
各レンタルサーバーのRAID構成まとめ
ここから各レンタルサーバーでのRAID構成をまとめていきます。その後考察していきます。
レンタルサーバー | RAID |
リトルサーバー | 5 or 6 or 10 |
さくらのレンタルサーバ
| 10 |
ロリポップ!
| 10 or 50 |
スターサーバー | 10 |
エックスサーバー
| 10 |
RAID10が多いね
RAID10は単純にデータをミラーリングしているだけだから、複雑な計算が不要でサーバーへの負荷が少ないんだ。その分ストレージはたくさん消費するよ。
またRAID5や6はパリティの計算をしないといけないからサーバーへの負荷が増える傾向にあるよ。
ただストレージ消費量ではRAID5や6の方が少ないから、ストレージを節約したいときはRAID5や6を採用するよ。
RAID種類 | ストレージ必要量 | サーバー負荷 | 耐故障 ※1※2 |
RAID10 | 多 | 少 | 1 |
RAID5 | 少 | 多 | 1 |
RAID6 | 少 | 多 | 2 |
※1:上原 稔, 仮想大規模ストレージにおけるセキュリティ, 情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)2007巻117(2007-DPS-133)号, pp.61 – 66, 2007年.
※2:中村 祐司, 上原 稔, NaryRAIDの実装, 研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS), 2009-DPS-140巻, 14号, pp.1-6, 2009年.
※耐故障というのは同時に何台のストレージの故障に耐えられるかという数値です。1耐故障で1台、2耐故障で2台の故障までカバーできます。
リトルサーバーは一番下のミニプランはRAID5と6、その上のワードとリトルプランはRAID6、その上のビッグプランはRAID5と6と10を組み合わせたものになっているね。
おそらく一番下のミニプランは入門プランというのと加入者の数が少ないという理由からRAID5を採用して、それ以上の加入者がいる上のプランではより信頼性のあるRAID6やより負荷が少ない10を採用していると考えられるよ。
他のレンタルサーバーはストレージをふんだんに使ってRAID10を採用する傾向があるね。
リトルサーバーが複数のRAID構成を採用しているのは格安で耐久性のあるプランを提供するためにギリギリまで削れるところを削っている印象だね。
ただし、次にまとめた表のように、レンタルサーバー会社が自動で数日前のサーバーの内容をバックアップしてくれているプランもあるから、例えばRAID5で2台ストレージが故障してデータが復旧できなくなるとかしても、バックアップから復元できるから、完全にデータがなくなるというのはほとんどないと思うよ。あくまでRAIDはサーバーを故障なく連続で運用する技術だからね。
ただ、そうは言ってもバックアップからサーバーを復旧となると一日前とかのデータからの復旧になっちゃうから、最新のブログのデータを失わないためにも、ユーザー側で記事の原本を保存しておくとかしておいた方がいいだろうね。
レンタルサーバー | バックアップ |
リトルサーバー | 自動7日分(ユーザー操作復旧可能) |
さくらのレンタルサーバ | 自動8日分(サーバー復旧用でユーザー操作を戻すものではない)。ユーザー操作復旧用バックアップには「バックアップ&ステージング」機能を使う(スタンダードプラン以上で可能。合計8世代まで可能だが複数サイトを運営するとその分1サイトに使える世代は減少) |
ロリポップ! | 基本的に有料オプションで7世代分。ハイスピードプラン・エンタープライズプランは無料バックアップされる。ユーザーデータ復旧も可能 |
スターサーバー | 自動バックアップなし |
エックスサーバー | 自動14日分(ユーザー操作復旧可能) |
まとめ
今回はレンタルサーバーのスペック表に出てくるRAIDとは何なのかということを解説しました。
多くのレンタルサーバーでRAID10が採用されていますね。リトルサーバーなどは会社の方針でRAID5や6も組み合わせていますね。基本的にRAID5や6や10を構成していれば障害に強い構成と見ていいでしょう。
自動バックアップ機能がないレンタルサーバーは自分でバックアップを取っておいた方がいいでしょう。
RAIDの意味がわかるとサーバースペックの表も少しわかるようになるね!
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