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今回は在庫管理問題を扱います。
前回はトウモロコシの保管と発注を扱いましたが、今回は通販でストックがなくならないようにトイレットペーパーを買う量を求めていきたいと思います。
参考にしたのは以下。
松井泰子、根本俊男、宇野毅明(2008)『入門オペレーションズ・リサーチ』東海大学出版部.
テキストではアイスの材料の管理を正規分布を利用して解決していく話になっていますが、今回は通販でトイレットペーパーを切らさないようにストックしていく話を正規分布を利用して解決してみようと思います。
問題は以下。
トイレットペーパーを通販で発注する。
・トイレットペーパーは2週間で12ロール消費する。
・発注の3日後に家に到着する。
・1日の消費量は0.86ロールで標準偏差は0.429ロールの正規分布に従っているとする。
・在庫切れは発注25回のうち1回程度に抑えたい。
発注点法で在庫管理を行う場合、発注点は何ロールが適切だろうか。
解答。
3日間の需要の平均は0.86*3=2.58ロール。
3日間の標準偏差は0.429*√3=0.74ロール。
25回のうち1回というのは4%である。
よって正規分布の平均の右側が0.46の確率となる位置を求めればよい。
正規分布表を用いた、ある確率になる区間の計算は以前もやってみましたが、今回も同様にやってみます。
正規分布表の値がp(u) = 0.46に最も近い位置を求めます。この場合u = 1.755くらいです。
ただもう少し正確に求めてみます。
エクセルに以下の数式を入力します。
=NORM.S.INV(0.96)
これで左側の確率が0.96になる位置が求まります。
結果は四捨五入してu=1.751です。今回はこの値を使います。
そしてu = (X – m) / σ
に平均m=2.58と標準偏差σ=0.74とuを代入して、Xについて解けば、X = 3.88が求まります。
つまり3日で3.88ロールだいたい4ロール発注すれば送料を無視すれば在庫を最小にしつつほとんどトイレットペーパーを切らさず生活できるということになります。
少し現実的でないのでもう少し現実に近づけましょう。
2週間に一回定期的に発注します。何ロール発注すればいいでしょうか。
この問題を考えます。
0日目には十分なストックがあり、2週間から到着までの3日を引いた11日目に何ロール発注すればよいか考えます。
このとき
14日間の需要の平均は0.86*14=12.04ロール。
14日間の標準偏差は0.429*√14=1.61ロール。
u = (X – m) / σ
に平均m=12.04と標準偏差σ=1.61とu=1.751を代入して、Xについて解けば、X = 14.86ロールが求まります。
2週間に一回の発注だと12ロール入りのトイレットペーパー1セットでは足りず、もう一セット必要ということですね。
ただし、とてつもなく在庫を持つ必要もなく、平均プラス1セットくらいを発注すればよさそうです。
2週間で96%在庫切れを起こさないストック量が15ロールなので、発注して届いた日に2セット24ロールあればある程度安心というところでしょう。もちろん2週間に一度必ず発注するという前提の話ですが。
まあそれぞれの家庭でトイレットペーパーの消費量も変動幅も違うのでそこはそれぞれの家庭に合わせた計算が必要ですけどね。
一週間のトイレットペーパーの消費量をカウントして3か月くらいデータを取ればいいかもしれませんね。